2007年5月23日水曜日

人間は失ってはじめて後悔する

脳卒中になった多くの方が言う言葉

「もっと生活に気をつけておけば良かった」
「たばこやめればよかった」
「血圧高いから気をつけてって注意されていたのに・・・」

なってしまってはじめて後悔するのです。病気になる前から、少しは意識しているかもしれません。ただ、意識が行動に移り難いのです。人間は弱いものです。恋人、家族、健康、いつもすぐ傍にある時は当たり前に思っていても、いざ失うと、、、涙、後悔、自責の念。

では何故意識しているのにやめられない、注意して生活できないのでしょう?

「人間の意志はそんなに強くない」
「脳卒中の発症因子となるものは、自覚症状が少ない」

この2点が複雑に絡み合っている、というのが私見です。

煙草は体に悪い、油の摂取過多は体によくない、みんな知っています。しかし、実際に欲望を抑えて行動できる人はいるでしょうか?いるでしょう、立派です。しかし、できない人の方が圧倒的に多いでしょう。食事にしても、おいしいものの方が体に悪いことが多いのです。たーっぷり油ののったお肉、そりゃあうまいです。おいしいほど後がこわい。自分も誘惑に負ける方の人間だと思います。
わかっているのと、実際に行動できることとは同義ではないのです。

そして、自覚症状が少ないことが、上記の行動できないことをさらに加速させます。例えば、風邪を引いて体がつらい場合は、自分から安静にするよう心がけるでしょう。捻挫して足が痛ければ、足を保護するよう意識するようでしょう。

しかし・・・

脳卒中を引き起こしやすい症状として、「高血圧」「動脈硬化」等があります。これらは、例えなったとしても、生活の中で「つらい」と感じる自覚症状がないのです。血圧に関しては、あまりにも高い場合は、頭がボーっとしたりすることもありますが、高めの方はその状態で安定するように体が勝手に適応してしまいます。動脈硬化に関しても、血管が硬くなるからといって体が感じる不快感や痛みは全くないのです。不快に感じるものがなければ、そのままやり過ごしてしまうことが多いのです。

「動脈硬化すすんでいますよ」→「別に体はなんともないけど・・・」

これらの症状は徐々に、しかし確実に体内を静かにむしばみ、突然の「脳卒中発症」という形で人を不幸に陥れます。

怖いですね。

煙草は血管を収縮させ、動脈硬化を促進させます。誰も煙草が体にいいと思って吸っている人は一人もいません。わかっていて吸っているのです。そこには、「自分は大丈夫だろう」という、何の根拠もない漠然とした自信があるのです。文章にすればおかしなことと誰もが思いますが、現実の世界で起こっているのです。別に喫煙自体を猛烈に批判しているわけではありません。たとえです。

脳卒中は自覚症状なく、考える時間を与えず突然やってきます。しかし、その準備は着々と人生の中で進められているのです。

自分も血液検査の結果におびえる年齢になってきました。自分で書いていて、ミイラとりがミイラにならないよう気をつけたいものです。

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