2007年5月20日日曜日

作業療法士の仕事

作業療法士の仕事、何でしょう?

簡単に言えば、「作業を通して身体・精神に働きかける(リハビリする)」でしょうか。

しかし中身といえばよくわかりにくいですし、実際は違う部分も多々あります。そこで今日は作業療法の中身について書きます。

一言で作業療法といっても、実際に働いている分野によっては大きな?違いがあります。分野としては、

・脳卒中や脊髄損傷などの中枢機能(脳や脊髄)の疾患に対するリハビリ
・骨折や靭帯の損傷など整形外科的な疾患に対するリハビリ
・脳性麻痺などの小児に対するリハビリ
・統合失調症など精神疾患に対するリハビリ

簡単に言ってもこれくらいあります。分野が違えば中身も自ずと異なってきます。全部を説明していると一晩かかってしまいますので、今回は自分が所属している、中枢疾患のリハビリについて説明したいと思います(私見です)。

中枢疾患のリハビリにおける重要な因子として、「必ず後遺症が残る」ということです。例えば右手足が動かなくなったとします。最初は寝返りをすることも難しい患者さんもいらっしゃいます。じゃあ動かないものを動くようにすることがリハビリ?正解であって正解でありません。麻痺の改善に向けて行われるリハビリももちろんあります。それ以上に、「後遺症が残った体でもどのように生活内でできることを増やすか?」が中心となります。
そういった意味で、作業療法士は、応用的動作に関わります。前にも書いたように、理学療法は歩行や立ち上がりなどの基本動作を中心に関わります。

・作業療法士は実際に着替えやトイレ、食事などの動作全般に関わっていきます
・片手しか使えなくても、片手で動作が行えるよう練習・援助していきます
・もし動作が難しい場合、道具の調整をしたり、用具を実際に作ったりします
・一人で行うことが難しい場合、家族に介助の方法や注意点を指導します
・生活が行いやすいよう、自宅の改修について提案します

簡単に言えば、患者さんの自立支援、自宅復帰、家族の負担軽減のために、何でもやります。もちろん他職種の方と協力しながら行われます。この点で言えば他分野の作業療法士の方も同じですがね。実際に作業療法士に必要な知識というと、中枢疾患では・・・

・解剖学
・運動学
・生理学
・作業分析
・運動分析
・触診技術
・改修に関わる住環境に対する知識
・福祉用具の知識
etc・・・・・

結構大変です、勉強するの。国家試験に通っても、いきなり一人前は難しいのです。経験は非常に重要です。作業療法士を目指す方、覚悟しておいてください。

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