2007年5月23日水曜日

リハビリの終了っていつなの?

リハビリを終了するのはいつなの?

この問題は非常に難しいです。

基本的に、医療従事者の思考としては、
「患者さんの損傷や後遺症の程度から、医学的にどの程度の改善が見込めるか、またそれに必要な期間はどれくらいか」を考え、それに基づいてリハビリを実施していきます。明確な目標設定と期間がなければ内容やアプローチは曖昧になってしまいます。またそれを示すことが現在は必須の流れとなっています。

しかし患者さん側や家族としての希望はどうでしょうか?
「自分はもっとよくなりたい、元の体と同じようになりたい」
「もっとやってよくなってもらわないと」

この、医療側の「目標」と、患者さん側の「目標・希望」との間の解離が、リハビリの終了を規定していくにあたって困難を来たします。

ここで重要なことは、「患者さんの希望は、医学的観点からみると実現は困難」である場合も多いということです。リハビリは万能ではありません。

ただ、患者さんは、「リハビリ」にすがるしかないのです。それ以外に頼るものがないのです。もちろん自分で頑張る患者さんもいらっしゃいます。

医療従事者として思うことは、「自分達が思う目標や期間」を、患者さんに押し付ける形をとってはいけないと思います。しかし、何でもかんでも患者さんの希望通りに事を運ぶことが、良いことだと思っているわけではありません。

あくまで、お互いの対話と、「歩み寄り」が大事だと思っています。

以前は、後遺症を持った患者さんが、エンドレスでリハビリをする、日常的な風景でした。しかし、現在の医療や行政の流れでは、「意味のないものにお金は使わない」強烈に推し進められています。確かに必要なことかもしれません。

しかし、患者さんとしては、たとえ良くならなくても、「リハビリをしている」という安心感が、心理的な安らぎやゆとりをもたらしていたかもしれません。

そういった数字や結果に残らないものも、大事にしていかなければならないなああ、と思っています。

ただ、リハビリ地獄に陥っているとも考えられます。患者さんがリハビリがなくとも、自信を持って楽しく生活できるよう自分達は援助していかなければならないと考えています。リハビリとは、病院に来て、セラピストの手を借りて行うことだけを意味するのではありません。家族と協力し、また自己努力していくのもリハビリです。

そして、リハビリとは、「再び楽しく生活を送るための手段」だと思います。リハビリのためのリハビリになってはいけないなあと考えています。

リハビリの終了は?
→医学的根拠のもと、達成可能な目標に到達したとき
  患者さんが納得できる説明と援助を医療従事者が十分に行う
  患者さんが前向きに生活を行うことができる

これらを満たしたときかな???自信がないです。

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